
寂しい写真なので公開をためらいましたが、営業を終えた鶴瀬西の「つるせ浴場」さんの取り壊し現場、今年の5月末頃のものです。「最新の設備をそなえた化学の温泉」がキャッチコピーだった銭湯も、こうして施設としての寿命を終えていくのですね。fujimist.info運営が小学生の頃は、鶴瀬東の富士見浴泉さんに友達と連れ立って遊びがてらに入浴に行き、風呂あがりにはコーヒー牛乳を買って腰に手を当てての早飲み競争、その足で近くの新井燃料さんで駄菓子を買ってガチャガチャやゲームに興じるのが日々の楽しみの1つでした。
「つるせ浴場」さん周辺には昔は鶴瀬団地がありましたが、現在は近代的なマンション群となっています。鶴瀬団地の中でも鶴瀬第一団地は、埼玉県内で3番目、東上線沿線では初の公団団地として1957年から入居開始。時代はちょうど日本の高度経済成長期の初期、現つるせ台公園の前あたりにあった商店街などをはじめ、ふじみエリア内の各商店街や個人経営のお店なども、運営の子供時代は賑わっていた記憶があります。
学校から帰宅したら玄関先にカバンを放りだし、その足で外へ遊びに駆け出していく子どもたち。街なかではそんな子どもたちが泥だらけになって遊びまわる声があちこちで響き、夕暮れが迫る頃に親が「ご飯だからそろそろ帰りなさい」と声をかけに来る。夕闇が迫る中を家路につくと、各家庭から漂ってくる煮物や焼き魚やカレーの香りは、間違いなく「おふくろの味」でした。ご近所どうしでは「夕ごはんのおかず作りすぎちゃったから、少しもらってくれない?」「お醤油切らしちゃった、ちょっとだけ貸して!」なんていう、現代社会では考えにくい会話も普通だったことを覚えています。
時代が移り変わっても大切にしていかなければならないものと、否が応でも変化への対応をしていかなければならないものと。少子高齢化が進む社会で疲弊しがちな地域経済。次の世代に引き継いでいくべきものを考えるという時期は終わり、行動に移す時期に入っているのではないかと感じる今日このごろです。fujimist.infoというサービスをスタートさせた背景の1つに、そういった運営の想いがあります。快適なインターネット環境と最新のスマートフォンが普及した今のこの時代にマッチした形で、微力ながらもこの地域に新しい活気を作る一助一端になれたら嬉しいところです。
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